『風が強く吹いている』、三浦しをん
久しぶりに心を強く打ってくる小説だった。
『風が強く吹いている』、三浦しをん。
ぼくは長距離走が好きだ。
フルマラソンもホノルルで走ったし、いまも暇と気力さえあれば
近所の家のまわりを1時間くらい走ってくる。
走ることが好きなのに気付いたのは高校生のときだ。
高校時代、バドミントン部で主将としてバドミントン漬けの日々を
送る中で、昼休みに「ドームツアー」なるものを企画し始めた。
うちの高校は文京区内にあったので、東京ドームを一周して
帰ってきても、30-40分くらい。昼休みのいい練習になると考え
東京ドームを回って帰ってくるから、名前だけかっこよく
「ドームツアー」として走っていた。
ほかの部員たちは勿論バドミントンは好きだが
走る練習が好きなわけではない。女子部の主将から
あんたよくやってるわね~、と好奇のまなざしで見られたのを覚えている。
走っていると何を考えているんですか?
非常によく聞かれる質問だ。
「特になにも無心」と答えるタイプか「いろいろ」と答えるタイプか
の2つのタイプでいうと僕は後者だ。
ひたすら色んなことを考えている。
帰ってからの掃除の手順や仕事のtodo、だれそれと最近飲んでないとか。
くだらないことも、真面目なことも。
走っているとき、音楽は聞かない。
ジムでも走らない。
街のなかを走って、路地の裏に飲み屋を発掘したり
サラリーマンの横を通り過ぎていくときに会話を聞いたり。
何より風を切って走っていける、体調のいいときの
テンポが上がっていく感じは本当に気持ちがいいので外がいい。
さて、『風が強く吹いている』。
走ることが嫌いな人は多い。
でもこの小説は読んでほしい。そう強く思わされる小説だった。
走ることが好きな人には、絶対に読んでほしい。
走ることが更に好きになると思う。
映画化もされたみたいだが、その映画は一生見ない気がする。
僕の中の主人公たちがあまりにもvividに
頭のなかで映像化されているのだ。
箱根駅伝をテーマにした小説なのだが、来年からの箱根駅伝に対する
見方も変わったし、日テレさんはもっと選手の話にアプローチして
箱根駅伝を放映してほしいと感じた。
笑いあり、涙あり(いや、最後は泣かされっぱなし)の
本当に素晴らしい小説だった。
三浦しをんの小説は他にも読んでみたい。
久しぶりに、最後1ページ1ページ読み終わるのすらが惜しい本であった。























